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ルール変更に敏感に!法改正にアンテナを張ろう!

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みなさんおはようございます!こんにちは。しゅーです。

 

以前の記事で条例ができるまでの流れについて書かせていただきました。

一般的な条例制定までの流れについてはこの書いた通りですが、実務上重要なのは改正案を作るまでだと思います。なので本日は改正案を作るまでの過程に関して、少し書いてみようと思います。

1.国の動きを知ろう!

まず何よりも重要なのは、法改正情報を収集することです。私たちの仕事は各自治体で制定する条例や規則に基づいて行うことも多いですが、その多くは各法令からの委任を受けて制定されるものがほとんどです。そのため、各省庁の動きや国会での動向などを収集することが大切です。収集方法は主に下記のものが参考になります。

まず、国会提出議案を見に行く方法です。法律の制定や改正には必ず国会を通る必要がありますので、各国会で自分の所管業務に関連する法律が提出されているかどうかを確認してみてください。

衆議院

参議院

また、法律については国会で確認できますが各省庁が所管する条例や、内閣府令等は国会の議決を取る必要がありません。そこで確認したいものが官報です。

官報を定期的に確認することで、成立法の施行日を確認したり、法改正に伴って改正される政省令の動きも確認できます。特に法改正は伴わずに改正されることも多くありますので、週に1回、出来れば毎朝確認するようにルーティンに組み込めると良いですね。

2.改正の影響を知ろう

改正情報を確認したら、その法令を引用している例規があるかどうかを確認しましょう。

自治体で電子例規集を契約していることと思いますので、本文検索で「◯◯法」などと入れて検索してみましょう。引用している箇所があれば必ずその法律の題名は出てきます。

第1条 この条例は、地方公務員法(昭和25年法律第261号。以下「法」という。)第24条第5項の規定に基づき、職員の給与に関し必要な事項を定めるものとする。

このような形で法令の名称は必ず出てきます。※一度登場するとその例規の中では略称(以下「法」という。の箇所です。)で呼ばれることが多いです。そのため正式な法令名称は一度しか登場しないことが多いです。

改正法を受けている例規が見つかったら、今回の改正箇所が影響を受けるかどうかを確認してください。

条文の追加や削除で引用条項がズレていたりすれば、そのズレを直す必要があります。

  • 上記の例で言えば仮にですが、第24条に第3項が追加され第5項が第6項になる場合です。

また、改正により新たに条例で規定しなければいけないことが増えたり、逆に法令に規定されることによって条例、規則では規定する必要がなくなったりするケースもあります。

3.スケジュールを確認しよう

法改正情報の確認の中でもそうですが、

  • いつから施行なのか
  • いつ分の申請から有効となるのか

これをしっかりと確認しましょう。なかには条例案件なのにも関わらずかなり時間の迫った改正ということもあります。そうなるとまず次回の議会に間に合うのか、提案は当初議案か追加議案かなど検討が必要になります。場合によっては、次回議会に回すこともありますので、担当課でパターンをシミュレーションした上で早めに法規担当、議会担当に相談が必要です。

確認する際は改正法の附則を確認しましょう。

一般的に附則には、施行期日と経過措置等の適用関係が書かれることが多いです。ここを確認することで、いつから効果を有するものなのかを確認できます。

※一括整備法などではかなり複雑な適用関係となっているものがありますので、読み方も含め慎重に、かつ、速やかに法規担当へ相談することをオススメします。

 

4.改正案を作ろう!

改正の範囲、施行期日などのスケジュールが大まかに見えてきたら早速改正案を作成していきましょう。

新旧対照表の作成が1番になると思います。

改正前(現行規定)と改正後(新規規定)を横並びにして、どこかどのように変わるのかを分かるようにした表です。改正箇所に下線を引きます。

最低限この表を作り、実運用を説明しながら法規担当に渡せばある程度改正作業は進むと思います。しっかりと改正箇所に漏れがないように確認をしながら作成していきます。

  • 法令の条や項、号のズレがないか
  • 新たに法令で略称が設けられていないか
  • 法令名称が変わっていないか
  • 法令での対象範囲(対象者など)が変わっていないか

など確認しながら作業を進めます。法規担当でも確認をしながら、適宜担当課の方に確認をしながら進めます。もしできれば、時間に余裕があれば、案文の作成などにも着手をしましょう。改め文方式は少し馴染みのない方も多いと思いますが、書いてみると非常に勉強になります。

 

以上が改正に向けた詳細な担当課の動きになります。今回はここまでとします。次回以降また機会を見て、新旧対照表の作り方や改め文の作成などについて、少し法政執務的な技術についても書いてみようと思います。

 

それでは!本日はこの辺で!